広告単価はどうやって決まるのか

「YouTubeの広告単価は0.1円」としたり顔で言う人がいますが、超巨大嘘つきです。そんな単純なものではありません。

チャンネルの広告単価というより、動画ごとに広告単価が異なります。
そしてさらに言うならば、そもそも「動画の広告単価」という概念が誤りです。

商品を宣伝したい会社が、広告をYouTubeに出稿します。YouTubeはその広告を見てくれそうな視聴者に対し広告を表示します。そして、その広告を見てくれた視聴者を獲得した動画制作者に、広告費の一部を支払います。

この流れで重要なのは、「視聴者の属性」です。
例えばクレジットカード会社は、顧客獲得コストを高めに設定しているため、高い広告単価でYouTubeに出稿するのです。YouTubeは検索等で視聴者がどんなことに興味関心を持ちどれくらいの年齢層かを把握していますから、クレジットカードを契約してくれそうな視聴者、つまり30~50代の男性に対し、その広告を表示しようとします(これをパーソナライズド広告といいます)。結果、動画制作者にも高還元される、というわけです。

YouTubeアナリティクスで、あなたの動画を見ている視聴者の属性を確認してください。性別や年齢層で、どのような広告が流れそうか、見当がつくはずです。
ちなみに当方のファミコンクソゲーがメインのチャンネルでは、95%以上が男性で年齢層は35~44歳が約60%を占めており、クレジットカードやヒゲ脱毛、お酒という単価が高めの広告が表示されています。

あと、注意点がひとつ。
こども向け動画については、パーソナライズド広告が無効となっています。
そのため、的確なターゲットに広告を出稿できないために、広告単価が非常に安く設定されています。
こども向けではなくても、低年齢層向けジャンルになると広告単価が下がる傾向にあります(社会人でないと財布を握っていませんからね・・・)。

オープニングや本題に関係のない導入は削るべし

これも視聴者目線の話に繋がるのですが・・・

視聴者は無名なあなたを目的に来るわけでなく、偶然表示されたあなたの動画を見に来るのです。
そこでチャンネル名表示のオープニングが10秒間流れたら、大半の視聴者はそこで離脱します。あなたには興味がないから。

また、なかなか本題に入らずに、冒頭でぐだぐだと茶番めいた導入を行っているケースが散見されます。
もしあなたが、大学で初見の講義を受講しに行って、講師がなかなか本題に入らずにずっと寒いことを言っていたらどう思いますか? 講義途中で退室しませんか?
これは特に「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」によくありがちです。しかし大半の視聴者にとって、ゆっくり饅頭は「ゆっくりの霊夢と魔理沙」の意味しかなく、語り部以外の何者でもありません。もしあなたが呼吸や間、ネタが面白いゆっくり饅頭の掛け合いを作り出すことが出来る才能をお持ちであれば、むしろ「ゆっくり茶番劇」1本に絞って動画を作成すべきです(「ゆっくり茶番劇」は大きなジャンルとして確立していますので)。

視聴維持率を向上させるため、視聴者目線で見てつまらないオープニングや冒頭の茶番は、今すぐ削ってください。

労力を減らし、継続して新作動画を上げ続けるべし

あなたがチャンネル登録しようと思うときのことを考えてください。

毎週金曜日の19時から動画が投稿されているチャンネルと、不定期に投稿されているチャンネル、どちらを登録したいと思うでしょうか。

登録者数の獲得のためには、継続的に動画を上げ続けるべきです。
そのためには、労力を出来るだけ抑えることも重要です。

多くの時間を割けば動画の質はいくらでもあげられますが、編集時間に比例して再生数が増えるわけではありません。

多くの視聴者は「作品」ではなく「娯楽」を求めているのです。 バランスを大事にしましょう。

当方の例です。リップルアイランドプレー動画はクリスマス企画ということもあり、20時間以上をかけて作成した「作品」ですが、再生数は当チャンネルの平均的な再生数に留まっています。広告収益を時間あたりで計算すると、通常の半分しか収益を上げられなかったことになります。

逆に、シャドウゲイトプレー動画は平均的な動画作成時間である約10時間で作成した「娯楽」ですが、人気が出て再生数が通常を大きく上回り、大きな収益を産み出しました。

サムネには時間をかけるべし

あなたがYouTubeをダラダラ見るとき、サムネで動画を選んでいませんか。
サムネはクリック率をあげるのにとても大事な要素です。

自分が昔公開していた「ゲームソフト売上ランキング10」の当初のサムネはこちら。

どうです? 再生したいと思わないでしょ?w
まずフォントがダサイし、文章もやや長い。
視聴者はサムネを流し見して、「おっ」と思ったもので手を止めるのです。
こんなサムネでは再生されなくて当然です。

その後、当時勤めていた会社のデザイナー陣に助言を貰って、サムネを作り直しました。

視認性が良くないですね。
その後ブラッシュアップした最終形は↓です。

このサムネに変えたところ、チャンネル初の4桁再生を獲得することになりました。

特に無名の頃は、視聴者を獲得するためにサムネに力を入れるべきです。
YouTubeアナリティクスで初動のクリック率が低い場合、サムネを作り直すことも検討しましょう。

動画の宣伝をYouTube外で行うのは避けるべし

TwitterなどのSNSで、動画のリンクを貼って案内や紹介しているケースが多々見受けられます。
しかし、SNSから流入した視聴者は、YouTube内で獲得した視聴者より再生時間が短いことが明らかになっています。
視聴維持率が下がると動画の評価が下がりインプレッションが落ちることになるので、再生数を増やそうと思って宣伝したにも関わらず再生数の伸びしろを奪うことになり、本末転倒です。

YouTubeのことはYouTubeで完結させるようにしましょう。